先日、NHKスペシャル『人体』第5集「脳・ひらめきと記憶の正体」を観ました。
この番組は、最新の脳科学を通して、私たちの「ひらめき」や「記憶」がどのように生まれているのかを探るものでしたが、私は一つの確信を得ました。
人は静けさの中でこそ、本当に学び、気づき、再構築できる。
そしてこの「静けさ」こそ、仏教で説かれる「禅定(ぜんじょう)」の世界であり、マンダラチャート8原則の第7番目「学習・仮説検証」に通じる核ではないかと感じたのです。
禅定とは、智慧を育む静けさ
番組では、創造性が最も高まるのは「デフォルトモードネットワーク」と呼ばれる脳の状態にあると紹介されていました。
集中して考えているときではなく、リラックスし、ぼーっとしているとき─たとえば、散歩中や入浴中、あるいはただ座っている時に、ふとひらめく。
これはまさに禅定の境地。
外界の刺激を離れ、内なる宇宙のネットワークが結びつき、智慧の火花が生まれる瞬間です。
学びとは、記憶をただ「保存」することではありません。
過去の体験や知識を「再構築」する力であり、その鍵が禅定にあります。
合氣道─動く禅としての体験
私は合氣道を15年稽古しています。
合氣道は「動く禅」とも言われ、技の習得を通じて「無心になること」「氣を感じること」「天地自然の
氣と一体になること」を学びます。
最近、改めてこの稽古の中で「無心であること」の意味を深く感じています。
技をかけようとすると力が入り、心が乱れる。
しかし、心を鎮め、呼吸と感覚に身をゆだねたとき、思考では届かないレベルで身体と氣が調和し、自然な動きが生まれる──まさにこれは、動きの中での「禅定」です。
ここにもまた、学びとは“詰め込む”ことではなく、“感じる”ことから始まるという真実が現れます。
マンダラ第7原則「学習・仮説検証」とは?
マンダラチャートにおける第7原則「学習・仮説検証」は、知識を得るだけでなく、
- 実践を通じて体験し
- 検証し
- 内省し
- 新たな仮説として再構成していくプロセスです。
これは、脳科学で語られる「記憶とは再構築の力である」という発見とも重なります。
静かに振り返り、氣づき、そして再び行動する─その循環が、真の学びを生むのです。
私の実践:マンダラ手帳と禅定
私は毎朝、マンダラ手帳を活用し、昨日の出来事、今の感覚、今日の意図を書き出す時間を大切にしています。
それは禅定のような、静けさの中で「仮説」と「気づき」を言語化する時間です。
この習慣は、合氣道の稽古やマンダラチャートの実践と結びつき、
心と体と知の学習サイクルを支える「禅定の場」となっています。
【まとめ:禅定 × 合氣道 × マンダラチャート】
- 禅定は「脳と心を再構築する静けさ」であり、「学習・仮説検証」の土台。
- 合氣道は「動く禅」。身体の無心を通じて、氣づきが生まれる。
- 学びは詰め込むものではなく、「結び直す」もの。
- 禅定の時間が、学びを深め、内なる宇宙との交信を可能にする。
最後に、私が感じた言葉を添えます。
「ひらめきとは、内なる宇宙が交信を始めるときに起きる閃光」
あなたの中にも、静かな宇宙が息づいています。
それと出会うには、思考を手放し、ただ今に在ること。
それが禅定であり、本当の学びのはじまりなのです。

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