マンダラチャート最大の誤解は「マスを埋めなきゃいけない」―― AIが挙げる“デメリット”を、認定コーチが読み解く
AIにマンダラチャートのデメリットを尋ねると、だいたい次のような答えが返ってきます。
- 知識やアイデアが足りないと、マスを埋めにくい
- 行動計画が細かくなりすぎる
- 数値や期限を設定しにくい
- 中心のテーマがずれると、全体に影響する
- 枠組みの自由度が低い
けれども、これらの多くはマンダラチャートそのものを指してはいません。本質を理解しないまま解釈されたものです。私もかつてはその一人でした。松村寧雄先生の書籍や動画に触れると、これらの指摘がマンダラチャートの定義とは違うことがよく分かります。
最大の誤解は「マスを埋めなきゃいけない」
いちばん大きな誤解は、「マスは全部埋めなければならない」という思い込みです。
講座で本当によく見かけるのが、「埋められなくてごめんなさい」と、なぜか謝る方の姿です。
マンダラチャートは、マスを埋めるためのツールではありません。病院にたとえると分かりやすいと思います。カルテを全部埋めたら病気が治るわけではありませんよね。優れたお医者さんは、カルテを踏まえたうえで本人を見て、話を聞き、質問をして、元気な状態へ導いてくれます。
マンダラチャートも同じです。埋まったマスの数に価値があるのではありません。書いたものを手がかりに、対話し、行動していくことに意味があります。
大谷翔平選手も「埋めて当然」だったわけではない
「大谷翔平選手のような優れた選手なら、マスを全部埋めて当然だろう」。これも大きな誤解です。
大谷翔平選手は、先輩の菊池雄星選手のマンダラチャートを参考にしたと言われています。そしてその菊池雄星選手も、マスを埋めるのには大変苦労したそうです。
実は、うちの代表理事の松村剛志が菊池雄星選手と会って握手をしたことがあるそうで、私としては大変うらやましいのですが、そのときに「マンダラチャートを書くのは大変だった」というエピソードを話してくれたそうです。
一流の選手でも、最初からすらすら埋まったわけではないのです。
AIが挙げる5つの“デメリット”を読み解く
① 知識やアイデアが足りないと、マスを埋めにくい
マンダラチャートは、もともと集合知にアクセスするためのツールです。テーマの知識が少ない人ほど、複数人で取り組み、お互いの知識や経験を持ち寄って埋め合うことで相乗効果が生まれます。自力だけで埋めるために編み出されたものではありません。
もちろん一人で使ってはいけないという意味ではありません。発想を生むには、いろいろな人とワイワイ話しながら書くのがいちばんです。ワークショップを一度体験すると、すぐに分かると思います。
② 行動計画が細かくなりすぎる
これも「すべて埋めなければならない」という思い込みから来ています。A型チャートでざっくりいくつかだけ書き、やりながら書き足していく方法もあります。
③ 数値や期限を設定しにくい
マンダラ経営計画やマンダラOKRを体験していない方の声でしょう。実際に、とんでもない、すばらしい成果を出している方がたくさんいます。
④ 中心のテーマがずれると、全体に影響する
これは「目標がぶれてはだめ」「計画に狂いが出てはだめ」という考え方から来ています。
まずは仮置きでもいいので中心のテーマを決めてしまい、周囲から埋めていく方法もあります。そのあとで真ん中をもう一度考えてみて、中心のテーマを書き換えても全然大丈夫です。
1年間テーマを変えてはいけないというルールもありません。3か月に一度、中心のテーマだけでなく、マンダラチャート全体をリフレッシュすることをおすすめしています。マンダラチャートは予言の書ではありません。実情に合わなくなったら、行動を変えていきましょう。
⑤ 枠組みの自由度が低い
これも「マンダラチャートしか使ってはいけない」という思い込みから来ています。私自身、時系列の管理にはガントチャートも併用していますし、さまざまなツールを使い分けることをおすすめしています。
マンダラチャートの中でも自由に組み合わせられます。A型の9マスで考え、B型の64マスに広げ、さらにその一部をまた9マスで考えたり、つなげたりすることもできます。「発想が広がるので効果的」「仲間意識が芽生えるので効果的」といったことはあっても、やってはいけないことは基本的にありません。
なお協会のよくある質問にもあるとおり、自分用の目標管理であれば、9マスに書く項目(カテゴリ)の変更やカスタマイズは自由です。
教育・採用・人事の皆さんへ
ですから、教育関係者の皆さん。マンダラチャートを決して宿題にしないでください。
採用担当の皆さん、新卒教育担当の人事の皆さんも、どうかマンダラチャートを宿題にしないでください。
全部のマスを埋める課題として出されると、埋められない人は挫折してしまいます。
マンダラチャートの極意は「書いたあとに応援し合う」
みんなで相談しながら書き、書いたあとにお互いを応援すること。これがマンダラチャートの極意です。
ぜひ皆さんも、マンダラチャートを書いたあと、お互いを応援してみてください。そこに挫折はありません。感謝とやる気に満ちた世界が広がります。
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認定コーチ109号 松山将三郎(文責)