人材育成の鍵は「目標設定力」──

皆さんは「人材育成」と聞いて、どんな方法を思い浮かべますか?

研修制度の整備やOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)、メンター制度など、さまざまなアプローチがあると思いますが、本当に大切なのは「その人自身が目指す姿を描けているかどうか」です。

今回は、目標を明確に描き、自ら行動できる人材を育てる方法として「マンダラチャート」の活用をご紹介します。実はこれ、人材育成に取り組むリーダーや教育担当者にとって、非常に強力なツールなんです。


なぜ「目標設定」が人材育成に欠かせないのか?

人が成長するために必要なのは、「自分はどこに向かうのか?」という目的意識です。

でも、「自分の目標ってなんだろう?」「どうやって設定したらいいの?」と悩む人は多いですよね。

  • 会社の方針には沿っているけど、個人の目標が曖昧…
  • 目標は立てたけれど、なかなか行動に移せない…
  • 上司や先輩と話がかみ合わない…

こうした課題の根底には、「目標を自分ごととして設定できていない」「具体性に欠ける」ことがあります。


目標が曖昧になる理由と、質問形式の効果

目標設定がうまくいかないときに有効なのが、「問いかけること」です。

例えば、

  • 「あなたが今、一番達成したいことは何ですか?」
  • 「それが実現したら、どんな気持ちになりますか?」
  • 「そのために、今日からできる一歩は何でしょう?」

といった質問に答えていくことで、少しずつ思考が整理されていきます。

ここで重要なのが、質問の質です。

あいまいな質問では、あいまいな答えしか返ってきません。だからこそ、「考える視点」を具体的に与えることが、成長を後押しする鍵になります。


マンダラチャートは、質問力を高める「目標設定の地図」

そこで登場するのが、マンダラチャートです。

マンダラチャートは、9つのマスを使って目標やアイデアを視覚的に整理する思考ツール。中央のマスにテーマを置き、それを囲む8つのマスに関連する要素を広げていくことで、バランスよく目標を作ることができるのです

例えば、ある社員が「営業力を伸ばしたい」と思ったとします。

中央に「営業力強化」と書き、周囲に以下のようなマスを置いてみましょう。

  • お客様理解
  • 商品知識
  • トーク力
  • ヒアリング力
  • 提案書の質
  • フォロー力
  • 時間管理
  • 成果の振り返り

このように構造化することで、「具体的に何を強化すればいいのか」が明確になります。そして、それぞれのマスに対して「どうしたら?」という問いを立てることで、行動に落とし込みやすくなります。


実践で大事な3つの視点

マンダラチャートを使った人材育成では、次の3つが非常に大切です。

1. 立てた目標を定期的に振り返ること

一度立てた目標も、放っておくと忘れてしまいがち。だからこそ、定期的な振り返りの時間をつくることが重要です。

マンダラチャートは書いて終わりではなく、日々の行動をチェックする「指針」になります。

2. できなかったことより、できたことを見る

人はついつい「できなかったこと」に目が行きがち。でも、自信を育てるには「できたこと」に意識を向けることが大切です。

たとえば、「プレゼンは緊張してうまくいかなかった…」ではなく、「資料作成は自分なりに工夫できた!」というように、前向きな振り返りを習慣にしましょう。

3. 応援し合える仲間の存在

目標に向かって頑張るには、一緒に成長できる仲間の存在がとても心強いものです。

マンダラチャートを共有し、お互いの目標を応援し合える場があると、モチベーションがぐっと上がります。


入門編で体験できる!マンダラチャート協会の公式講座

マンダラチャートは、誰でもすぐに使えるツールですが、より効果的に活用するには、正しい使い方を学ぶことが近道です。

一般社団法人マンダラチャート協会では、目標設定を学べる入門講座を定期的に開催しています。

🟠 マンダラチャート入門講座(基礎編A型・応用編B型)
https://mandalachart.jp/seminar/notebook_seminar

この講座では、マンダラチャートの基本的な使い方から、目標設定、日々の行動管理まで、すぐに実践できる内容を体系的に学べます。

  • 自分の目標を言語化できるようになりたい方
  • 部下やチームメンバーの育成に悩んでいる方
  • 自分の人生設計をしっかり立てたい方

こうした方に、ぴったりの内容です!


最後に:人材育成は「自分を知る」ことから始まる

会社が人を育てるのではなく、人が自ら育つ「環境ときっかけ」を与えるのが、現代の人材育成のあり方です。

マンダラチャートは、そのための道具であり、考える力と行動力を引き出すための「問いのフレーム」です。

ぜひ、あなたの職場やご自身のキャリア形成にも、マンダラチャートを活用してみてくださいね!

投稿者プロフィール

マンダラチャート協会事務局