役所広司さん主演の映画『PERFECT DAYS』を観ました。

この作品は、静かに、しかし確かに心の奥底へと染み込んでくる映画です。私は、きっとこれからも、何度も観返すでしょう。

とくに印象的なのは、最後のシーンで、主人公・平山が車を運転しながら涙を流す場面。

私の魂に深く沁みました。

なぜ彼は泣いたのか。

あれは演技ではなく、まさに“魂の表現”だったのだと思います。

役所さん自身も「あの涙は、台本にはなかった」と語っています。

その涙には、日々の美しさと儚さ、静かに移ろう人生への覚悟、生きることへの魂の呻吟。
そんな、言葉にできない想いがすべて込められていたのでしょう。

私自身も、平山という人物の姿に、深い共感を覚えました。

人生には、小さな良いこともあれば、思い通りにならないことも多い。

それでも、その日々のなかに「小さな幸せ」を見出しながら生きていく。

それはまさに、マンダラチャートの“中心”を生きることと重なります。

「いまここ」に咲く、小さな幸せ

先日、妻と「港の見える丘公園」から「山下公園」まで散歩しました。

穏やかな陽射し、爽やかな風、言葉少なに歩く時間。

それはまるで、平山が見上げていた木漏れ日のように、何ものにも代えがたい、「いまここ」の幸福でした。

マンダラチャートで言えば、これは「家庭」や「趣味」「人格」の領域にある、日常の充実でしょうか。

特別なことではなくても、それを味わえる感性こそ、人生の質を高める智慧だと感じています。

異国で交差した“一期一会”

実は、忘れがたい記憶があります。

2010年、仏陀の足跡を辿るため、恩師・松村寧雄先生とインドを旅したときのことです。

ブッダガヤでの早朝、一人で菩提樹のある仏塔の通りを散策していたとき、道の向こうから同じように歩いてくる日本人男性が。

それが、役所広司さんでした。

まわりはインドやスリランカの人々ばかりという状況で、“あの存在感”にすぐに気づきました。

言葉は交わさずとも、異国の地で交差する一瞬に、「出会い」や「運命」を感じました。

この映画を観たとき、その一瞬を思い起こしました。

憧れを持ち続けるということ

役所広司さんは、今69歳。

私は現在58歳です。

彼のように、深みと優しさ、そして芯の強さをあわせ持つ「魅力的な大人」でありたい。

そのように感じることが、私の“魂のコンパス”なのでしょう。

「魅力的な大人」とは、ただ成功を収めた人のことではなく、日常の出来事や出会いに感動できることであり、自分の“憧れ”を忘れずに持ち続けること、と思うのです。

それこそが、マンダラチャートでいう“中心核”を持って生きることだと、私は感じています。

どこまでいっても、到達できない憧れにむかって生きるために中心となる軸、信念が必要です。

終わりに:映画を観たあとに、マンダラ手帳

映画を観終わったあと、私はふと、手元のマンダラ手帳を開きました。心が自然と“自分の中心”に向かっていたのです。

  • 「いまここ」を生きる力
  • 日々の些細な感動を味わう感性
  • 誰かに憧れる心

これらを大切にしながら、これからの時間を歩んでいきたい。

また、私の中心核が充実しました。

あなたもぜひ、自分の「中心」にあるものを、マンダラに書き出してみてください。

それが、日常の行動へとつながる第一歩になるはずです。

本領 亮一

投稿者プロフィール

本領亮一
1967年千葉県松戸市生まれ。青山学院大学卒業後、大和証券系VC、ワタミ、CCCを経て31歳で株式会社ジップを創業。22年間ブックオフ加盟店4店舗を運営し、2020年事業譲渡後、株式会社本領として新たなスタートを切る。
現在はマンダラチャート認定コーチとして、仏陀の智慧を経営に活かす活動や、合氣道の指導、経営戦略・人生論の研究を続けている。noteやSNSで日々の学びと気づきを発信している。