年始は、整うはずだった。

仕事も生活も、少しずつ通常運転に戻していく。

けれど現実には、身体の疲れが抜けず、思考は静かにネガティブへ傾いていくこともあるでしょう。

私が行っているマンダラ朝活の場で、私たちは「何を成すか」ではなく、どう在るかについて、ゆっくり言葉を交わした。

そこで浮かび上がってきたのが、「沈まない」を中心に置くマンダラという感覚だった。

私の好きな原田マハさんの小説に「たゆたえども沈まず」からもインパイアされた。

目標がないと、人は動けないのか?

参加者の一人が、率直に語ってくれた。

「今週は正直きつかった。

でも、目標を立てて自分を追い込むのをやめて、

ただ“一日をやり過ごす”ことを大事にしていた」

以前の彼なら、

「このままじゃダメだ」「もっとやらなきゃ」と自分を叱咤していたかもしれない。

だが今回は違った。

成果も、達成も、成長もいったん脇に置く。

沈まずに一日を終えること自体を、価値として認める。

それは後退ではなく、

生き方の軸を“別の場所”へ移した、という感覚に近い。

マンダラの中心核を、置き換える

マンダラチャートは、よく「目標達成のツール」として語られる。

中心に目標を置き、外側に行動や要素を配置する。

だがこの日の対話で、私ははっきり感じた。

中心核は、目標でなくてもいい。

むしろ、調子を崩しやすい時期や、人生の節目においては、

目標を中心に置かないほうがいいこともある。

この回の中心核は、こうだった。

「沈まない」

成功するかどうか。

前に進んでいるかどうか。

誰かの役に立っているかどうか。

それらを一度すべて横に置いて、

「今日は沈まずにいられたか?」

ただそれだけを、静かに問い続ける。

苦集滅道は、人生のPDCAだった

この日は、仏教の基本である「苦集滅道(四諦)」にも触れた。

  • 苦:いま起きている現象
  • 集:その原因
  • 滅:苦が消えた状態
  • 道:そこに至る実践

この仏陀の智慧は、とても構造的だ。

私たちはよく、問題が起きるとすぐ「解決策」を探す。

だが仏陀は、まず「いま何が起きているか」を丁寧に見よ、という。

PDCAのC、Check 、観察から始めるのだ。

感情、身体、思考、環境をいったん並べて、

原因を“見える形”にする。

沈みそうなときほど、

マンダラは「前に進む地図」ではなく、

足場を確かめる地図になる。

アクティブレストという知恵

対話の中で印象的だった言葉があった。

アクティブレスト。

ただ横になって休むのではなく、

軽く動くことで、回復するという考え方だ。

疲れているときほど、

何もしないことが正解とは限らない。

散歩や体操などの軽い運動が疲れを回復させてくれることもある。

もちろん、「休む」も立派な行動だし、

しかもそれは消極的な撤退でもない。

沈まないための、能動的な選択。

これもまた、

中心核を「成果」ではなく「沈まない」に置いたからこそ

見えてきた行動だった。

内側は絶対零度、外側は青い炎

最後に、今年の私自身のイメージを少しだけ共有した。

内側は、絶対零度。

外側は、青い炎。

心の奥は静かで、揺れない。

結果に執着せず、うまくいかなくても揺れない。

一方で、外側では淡々と燃え続ける。

派手ではないが、温度は高く、クリアな炎で。

この在り方は、

「沈まないマンダラ」と深くつながっている。

燃えるためには、

たゆたえども沈まないこと。

目標を置かない時間が、人生を支える

マンダラチャートは、人生を加速させるための道具でもある。

だが同時に、

人生が沈み込まないための“浮き輪”にもなる。

何も達成できなくてもいい日。

前に進めた実感がなくてもいい週。

それでも、

「たゆたえども沈まず」にあることを中心に置く。

そんな心を持った方が良い時期が、誰にでもあるだろう。

投稿者プロフィール

本領亮一
1967年千葉県松戸市生まれ。青山学院大学卒業後、大和証券系VC、ワタミ、CCCを経て31歳で株式会社ジップを創業。22年間ブックオフ加盟店4店舗を運営し、2020年事業譲渡後、株式会社本領として新たなスタートを切る。
現在はマンダラチャート認定コーチとして、仏陀の智慧を経営に活かす活動や、合氣道の指導、経営戦略・人生論の研究を続けている。noteやSNSで日々の学びと気づきを発信している。