マンダラ朝活で、松村寧雄先生の動画を観ながら「縁」について話しました。

原因がそのまま結果になるのではなく、原因と結果のあいだに「縁(関わり)」があり、その関わり方によって結果が変わっていく──これが仏教の骨格です。

しかし、私たち凡夫には、このような感覚が残ることがあるでしょう。

「いい心で動いているつもりなのに、結果が“楽”にならないことがある」

「正しく関わっているつもりでも、どうしてこうなるのだろう」

この“引っかかり”に対して、ある言葉を思い出しました。

稲盛和夫さんが語っていた「因果の捉え方」

私は以前、盛和塾(大江戸支部)に在籍していた時期があります。

その頃、稲盛和夫さんの講演会で、何度も直接お話を伺う機会がありました。

稲盛さんの作り出す場の空気はいまでも忘れません。

言葉は平易なのに、まっすぐ心に届く。

「人はどう生きるのか」という問いが、逃げ場なく差し出されるような時間でした。

その中で、私が強く「なるほど」と感じたのが、因果についての捉え方です。

稲盛さんは、因果応報を単純に「やったらすぐ返ってくる」ものとして扱いませんでした。

むしろ、「因果はこの人生の中で完結しない」という見方で受け止めた方がいいのではないか──そういう趣旨の話をされていたのです。

もちろん、「来世がある」「生まれ変わりがある」と断言する話ではありません。

仏教の立場でも、そこは簡単に言い切らない部分があります。

人間には分からない領域だからです。

けれど、だからこそ稲盛さんは、こういう方向へ私たちの心を導いたのだと思います。

・いま結果が出なくても、因は消えない

・目に見える形で返ってこなくても、因は積み上がる

・だからこそ、良い種を蒔き続ける

この捉え方には、確かに救いがあります。

「結果が出ない=自分が間違っている」とは限らない。

「すぐ報われない=無意味」ではない。

“いまここ”で良い因を蒔くこと自体が、人としての姿勢であり、生き方なのだと。

写真を撮っていただいた日のこと

盛和塾の機会に、稲盛和夫さんと、坂本孝さん(ブックオフ創業者)と、私の三人で写真を撮っていただいたことがあります。

私にとって坂本さんは、経営者としてスタートをきる機会を与えてくれた方です。

その坂本さんと、稲盛さんと、同じフレームに収まった瞬間。

あの時、私は「背筋が伸びる」感覚でした。

経営は、ノウハウ以前に「人間の在り方」なのだ。

結局は、心の置き方が経営に出るのだ。

そして、その心は日々の小さな積み重ねでしか鍛えられないのだ。

そんなメッセージを、お二人の偉大な経営者から受け取った気がします。

「良い種を蒔く」は、すぐ効かない。だから効く

松村寧雄先生の動画でも、「縁」が見えないと、人は結果だけを見てしまう、と語られていました。

厄介な出来事が起きると、相手が悪い、環境が悪い、運が悪い、と考えてしまう。

しかし、その前に「自分の関わり」があったかもしれない。

ただ、ここにも落とし穴があります。

自分なりに誠実に関わっているのに、結果が厳しいとき。

この時に「自分が悪かったのか」と必要以上に自分を責めてしまうこともある。

そんなとき、稲盛さんの言葉を思い出しましょう。

因果は、いまここで完結しない。

だからこそ、焦らない。

だからこそ、投げない。

そして、淡々と良い種を蒔く。

すぐ効かないからこそ、これは「姿勢」になる。

姿勢になったものだけが、人生の芯になる。

私はそう思います。

「良い種を蒔けば、良い結果が出る」

この言葉は、単純に見えて、実は深い。

なぜなら、結果はすぐには見えないからです。

縁がどう結ばれるかは、私たちには分からないからです。

それでも、良い種を蒔く。

それだけは、自分で選んで行動できる。

盛和塾で稲盛和夫さんの肉声に触れた経験は、いまも私の中で、静かに灯り続けています。

投稿者プロフィール

本領亮一
1967年千葉県松戸市生まれ。青山学院大学卒業後、大和証券系VC、ワタミ、CCCを経て31歳で株式会社ジップを創業。22年間ブックオフ加盟店4店舗を運営し、2020年事業譲渡後、株式会社本領として新たなスタートを切る。
現在はマンダラチャート認定コーチとして、仏陀の智慧を経営に活かす活動や、合氣道の指導、経営戦略・人生論の研究を続けている。noteやSNSで日々の学びと気づきを発信している。