先日、リアル東京会場、大阪会場、そしてオンラインで「マンダラ経営計画3.5」を開催させていただきました。
その講義録と受講生さまの声を掲載させていただきます。
セッション1:最新AIモデルの選択とIT基礎知識
1-1. オープニングと環境整備
- 講師のあいさつと目的共有:主催者(松山講師)が参加者に向けて本講座のゴールを再確認。午前は「AI×OCRで情報を高速にデジタル化し、経営計画の基礎となるデータ基盤を作る」ことを目標に設定。
- 技術トラブル対策:音声やマイクの不調で授業がストップしないよう、受講者全員に以下を確認・対応させました。
- Zoomのマイク設定(ミュート解除・ミュート切替)
- 回線品質チェック(Wi-Fi/有線切替)
- 発言権をもつ司会者の案内
1-2. OCRの基礎とモデル比較
OCRとは?
- 紙や画像に含まれる文字情報をAIで読み取り、編集可能なテキストデータに変換する技術。名刺や決算書といった定型/非定型文書のデジタル化に不可欠。
- ビジネスへの応用例:顧客データベースの自動更新、請求書処理の効率化、アーカイブ資料の全文検索など。
ChatGPTモデルの選定
- GPT-4(o1) vs GPT-4o-mini/GPT-3.5
- o1モデル:大量の推論パラメータを備え、文字の認識・校正精度が最も高い
- 4o-mini:軽量で動作は速いが細かい表記揺れに弱い
- 3.5系:基本的なOCRは可能だが、レイアウト崩れや誤読が多い
- デモンストレーション
- 名刺画像を読み取らせ、氏名・読み仮名・役職・メールアドレスを抽出
- 誤認識例:『吉村和也』→『ヨシムラ カズヤ』声としては正しいが、AIのアルゴリズム上で漢字読みを推測しづらい
- ChatGPTに「間違えていそうな読みを検出して、正しい表記候補を挙げて」と指示し、再校正
ポイント解説
- ヒューマン・イン・ザ・ループ:最終的に人が目視チェックを行う運用設計の重要性
- モデル選択基準:AI性能だけでなく、運用コスト/速度とのバランスも考慮
セッション2:決算書の取り込みと財務分析
2-1. 決算書データのOCR取り込み
- 対象ファイル形式:PDF、JPEG、PNGなどのスキャンデータ/写真
- OCR→スプレッドシート自動連携
- Google Drive上に原本ファイルをアップロード
- Google Apps Script or Zapierを使って、OCR結果を特定のシート(例:財務データ)へ自動転記
- 演習手順
- 前年前々期のPL(損益計算書)をそれぞれ画像化しアップロード
- ChatGPTに対し「各科目の金額を検出し、YYYYシートのA列から順に並べてください」とプロンプト
2-2. 財務健全性診断
診断項目の解説
- A:安全性指標(流動比率、自己資本比率)→短期/長期の支払余力
- B:収益性指標(売上高利益率、ROE)→利益獲得能力
- C:生産性指標(1人当たり売上高)→従業員効率
- D:回転率指標(在庫/債権回転率)→資金繰りの効率性
- E:安定性指標(有利子負債比率)→財務リスク
AI分析の流れ
- 取り込んだ数値データをChatGPTに渡す
- 「これらの指標を計算し、レーダーチャートを作成してください」と指示
- AIは判定結果(合格ライン以上か否か)と、数値的根拠、改善ポイントを自動出力
演習ポイント
- データ抜け・誤読対応:OCRでは必ず一部セルが空欄になるので、AIに「該当項目がない場合は0と仮定してください」とロバスト化
- 結果の意思決定活用:AI提示の改善策(例:流動比率改善のための短期借入金圧縮等)に責任を持つのは経営者自身であることを強調
セッション3:SWOT分析とクロスSWOT
3-1. 基本SWOT分析
- 強み(Strengths):業界内で競合他社より優れている領域やリソース
- 弱み(Weaknesses):内部で抱える改善課題や制約
- 機会(Opportunities):市場動向、法規制緩和、技術進歩などの好機
- 脅威(Threats):競争激化、顧客ニーズ変化、景気後退等のリスク
演習手順
- ChatGPTに「御社の○○事業におけるSWOTを列挙してください」とプロンプト
- 出てきた項目を受講者が自社の文脈に合わせて再定義
3-2. クロスSWOT分析
- 強み×機会:新製品開発/新市場参入に活かす戦略
- 強み×脅威:リスク回避策としてのポジショニング強化
- 弱み×機会:業務提携やデジタル投資による弱点補完
- 弱み×脅威:撤退基準の設定や再編計画
詳しい解説
- AIは全パターンを網羅的に検討できる一方、最終的に「どの組み合わせが最適か」を判断するのは人間の戦略眼。
- 受講者はAI提案をもとに、「当社が最も注力すべきクロス戦略」を3点選択し発表。
セッション4:マンダラチャート×ChatGPTによる経営計画
4-1. マンダラチャートの概要
- 縦3×横3=9マスの中心に“最重要テーマ”(例:売上拡大、顧客定着)を置き、周囲8マスに関連要素を展開
- 更に各周囲マスを中心にした9マスで具体施策を洗い出すことで、8要素×8マス=64個のアクションプランを可視化可能
4-2. AIとの連携手順
- プロンプト設計:
あなたは“経営戦略アーキテクト”です。中心テーマ【売上拡大】に対し、「マーケティング」「商品開発」「顧客サービス」…など8要素に分け、各要素で実行可能な具体施策を3案ずつ挙げてください。
- ChatGPT実行:AIが64案をアウトプット
- レビュー&ブラッシュアップ:受講者同士で施策の重複や実現性を議論し、優先度づけを実施
- 行動計画化:優先施策を月次・週間タスクへ落とし込み、期日と責任者を設定
応用例
- 新規顧客獲得:SNS広告配信→LP改修→A/Bテスト
- 既存顧客深耕:定期フォロー面談→VIPプログラム設計
セッション5:PPM(Product Portfolio Management)と成長ベクトル戦略
5-1. PPMの基礎
- 自社商品・サービスを
- 花形(Stars):高シェア・高成長→積極投資
- 金のなる木(Cash Cows):高シェア・低成長→収益源
- 問題児(Question Marks):低シェア・高成長→投資/撤退判断
- 負け犬(Dogs):低シェア・低成長→縮小/撤退
5-2. AIによるシミュレーション
- 現行ポートフォリオ分析:「各事業の市場シェア」「市場成長率」をAIに推定させ、四象限にマッピング
- 資源配分シナリオ:「追加投資額」「期待ROI」を入力し、2~3年後の収益シミュレーションをAIに実行
- 成長ベクトル策定:成長が不足する場合、安定成長マトリックスを用い「既存事業深耕 vs 新市場開拓」の二軸で補完戦略を立案
詳細解説
- 短期収益を維持しつつ、中長期投資をバランスよく配分するための意思決定支援ツールとして活用
- AIプロンプト例:
"製品A(シェア20%、成長率5%)に 2億円投資した場合の3年後利益シミュレーションを出してください"
セッション6:組織計画とゲーミフィケーション(Mandala QUEST)
6-1. データドリブンな人事戦略
- 活動記録・日報のデジタル化
- コード化した業務メニューをチャットボット経由で登録
- 「顧客訪問」「契約書作成」「資料提出」など64分類
- AI分析によるコンピテンシー診断
- 「業務遂行力」「コミュニケーション力」「戦略構築力」…計8軸で能力を定量化
- レーダーチャートやヒートマップで見える化
- 個人評価とフィードバック
- 自己評価と多面評価を比較し、ズレの是正
- AIからの診断コメントをもとに、上司が具体的育成計画を立案
6-2. Mandala QUEST:RPG風評価制度
- アバター設定:各社員がオリジナルキャラクターを作成
- ポイントシステム:業務完了やスキル獲得時にXP(経験値)を付与
- レベルアップ報酬:一定XP到達で"バッジ"や"称号"、"ボーナス"を獲得
- チーム対抗イベント:部署ごとに"討伐クエスト"を設定し、最速達成チームを表彰
実装ステップ
- AIチャットボットで日報ログを収集
- 定義済みコードからAIが自動診断
- アバター&XP計算ロジックをGoogle スプレッドシートで構築
- ダッシュボードにリアルタイム表示
以上、3倍の詳細解説を加えた各セッションのまとめです。未受講者にも流れと実務イメージが伝わるよう、用語解説や具体プロンプト例を挿入しました。さらに補足や実際のスクリプト例などが必要でしたらご指示ください。
マンダラ経営計画講座 参加者の声
40代男性 製造業経営者 田中さん

気づき
「正直、最初はマンダラチャートとAIの組み合わせって何だろう?と半信半疑でした。でも2日間の講座で目から鱗が落ちましたね。特に財務分析のところで、今まで決算書を眺めて『まあこんなもんか』と思っていたデータが、AIで分析すると全く違う角度から見えてくる。弱点が数値で明確に示されて、『ああ、ここが問題だったのか』と腑に落ちる瞬間がありました。データの蓄積と活用の重要性を本当に痛感しましたね。」
感想
「松山先生の『データが宝』という言葉が心に刺さりました。うちの会社、正直なところ日報とかほとんど形骸化していて、書いても誰も見ないという状態だったんです。でもチャットGPTと連携させて、日々の業務記録から自動的に傾向分析できるって聞いて、これは革命的だと思いました。あと、3年後のビジョンを絵で描くワークは、最初は『何これ?』と思ったんですが、AIで具体的に視覚化すると、社員に見せたときのインパクトが全然違うだろうなと。経営計画書って文字だらけで誰も読まないんですよね(笑)。これなら全員が同じビジョンを共有できそうです。」
アクション
「まず来週、幹部会議でマンダラチャートの導入を提案します。特に人材育成のところで紹介されたマンダラクエストは、うちの若手社員の成長管理にぴったりだと思いました。毎週火曜日のマンダラOKRにも絶対参加します。あとは、工場の作業手順のマニュアル化にもZoomの録画と文字起こしを活用したい。今まで『背中を見て覚えろ』的な古い体質だったので、これを機に変えていきたいですね。あと個人的には、朝の習慣としてAIと対話する時間を作ります。松山先生がおっしゃっていた『毎日やると頭が良くなる』というのを実感したいので(笑)。」
30代女性 小売業経営者 佐藤さん

気づき
「私、マンダラチャートは前から知っていたんですが、正直『きれいに整理するだけのツール』くらいにしか思っていなかったんです。でも今回の講座で、仏教の考え方をベースにした『幸せのメソッド』という本質を知って、捉え方が180度変わりました。特にSWOT分析とランチェスター戦略を組み合わせたところが目からウロコでした。うちみたいな小規模店舗でも、地域でナンバーワンを取れる分野を見つければ戦えるんだって希望が湧きましたね。」
感想
「正直、AIって苦手意識があったんです。でも講座を通じて、こんなに使いやすくなっていることに驚きました!特に営業トークのトレーニングボットのデモを見たときは、『これ、うちのスタッフ教育に使えるじゃん!』って興奮しました。あと、みんなの3年後ビジョンの絵を見せ合ったときは、なんだか急に親近感が湧いて、お互いの夢を応援したくなりましたね。経営計画って堅苦しいイメージだったけど、こんなに楽しくワクワクしながらできるんだって発見でした。マンダラクエストのキャラクター育成みたいな仕組みも、スタッフのモチベーションアップに効果ありそう!」
アクション
「まず、店舗スタッフ全員に自分のキャラクターを作ってもらって、マンダラクエストを導入します!毎朝の朝礼で、みんなの『キャラ』の成長具合をシェアする時間を作りたいですね。あと、お客様の声を録音して文字起こしするのも始めます。今まで『いいお店だね』とか言ってもらっても、具体的に何が良かったのか分析できていなかったので。あと、私自身は月曜朝6時のオンライン勉強会に参加します。早起きは苦手なんですが、これは投資だと思って頑張ります!松山先生が言ってた『AIと対話してる人同士の会話はレベルが違う』っていうの、本当に実感しました。私も早く「AIと話せる経営者」になりたいです!」
50代男性 コンサルティング業経営者 鈴木さん

気づき
「これまで何十社もの経営計画策定を支援してきましたが、こんなに効率的かつ効果的な方法は初めて経験しました。特に人材育成のところで、『データを貯めること』の重要性に気づかされました。マンダラクエストのシステムは、まさに今のZ世代やα世代の若手に刺さるはずです。『背中を見て覚えろ』式の古い人材育成から、データとゲーミフィケーションを活用した新しい育成方法への転換点なんだと思います。」
感想
「松山先生の『会議でAIを使うとみんな天才になる』という言葉が印象に残っています。確かに、昨日と今日でも自分自身の思考の質が変わったのを感じます。これまでクライアントとの会議では、お互いの経験や勘に頼った議論が多かったのですが、これからはAIによるデータ分析を土台に置くことで、もっと生産的な会議ができそうです。また、ビジョンを視覚化するワークも素晴らしかった。経営理念やビジョンって往々にして抽象的な言葉で終わりがちですが、AIを使って具体的な絵にすることで、社員全員が『ああ、こういう会社を目指すんだ』と腹落ちする。これは革命的ですね。」
アクション
「まず、自社のコンサルティングサービスにマンダラ経営計画とAIの組み合わせを取り入れます。特に中小企業向けのサービスとして、『AIを活用した経営DX支援』というパッケージを作りたいと思います。自社の社員にも週次でマンダラOKRを導入し、火曜日の12時15分からの勉強会には必ず参加します。また、これまでのクライアント向け資料もすべてノートブックLMに入れて、チャットボット化することで、よくある質問に自動で答えられるようにします。このAIとマンダラの組み合わせは、コンサルティング業界の常識を変える可能性を秘めていると確信しています。松山先生がおっしゃった『AIを使わない経営者はAIを使う経営者に負ける』という言葉を胸に、自ら実践者となって業界に変革を起こしていきたいです。」
20代女性 IT企業マネージャー 山田さん

気づき
「正直、最初は『マンダラチャートって古いツールじゃない?』って思っていました(すみません!)。でも2日間の講座で、AIと組み合わせることで全く新しいフレームワークに生まれ変わっていることに気づきました。特に業務報告をデータとして蓄積して、それをAIが分析・学習することで、個人や組織の成長傾向が見えてくるという仕組みが革新的だと思います。私たちITの世界では『データドリブン』という言葉をよく使いますが、それを人材育成や経営計画にまで広げる視点は目からウロコでした。」
感想
「『手書きでも、音声入力でも、とにかくデータを貯めることが重要』という言葉が印象に残っています。テック企業にいると、つい最新のシステムやツールを導入することにフォーカスしがちですが、大事なのはシステムよりもデータの蓄積と活用なんですよね。また、ノートブックLMを使って社内知識をAIに学習させるデモを見て、『これうちの新人研修に使えるじゃん!』と興奮しました。今まで先輩社員の時間を取って教えてもらっていたことが、AIで効率化できるなんて。あと、マンダラクエストのゲーミフィケーション要素は本当に面白いと思います。エンジニアチームのスキルアップにぴったりです!」
アクション
「まず、チームの全員にマンダラチャートとAIの基本的な使い方を教育します。特に日々の業務報告をChatGPTに入れて分析する習慣を作りたいです。また、会社のマニュアルや知識ベースをすべてノートブックLMに入れて、新人がいつでも質問できる環境を整備します。採用面接でも、マンダラクエストのようなゲーミフィケーション要素を取り入れて、候補者の適性をより正確に把握できるようにしたいです。個人的には、火曜日のマンダラOKRに参加して、このAI×マンダラの最新動向をキャッチアップし続けます。松山先生が言っていた『毎日AIと対話する人は頭が良くなる』という言葉を信じて、毎朝の習慣にします!もう今日から始めてます!」
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