私は、マンダラチャートの創始者・松村寧雄先生から、仏陀の遺言について深い学びをいただいた。

その教えは、2500年以上の時を超え、いま私たちの人生・仕事・実践にまっすぐ響いてくる。

■ 1.仏陀の最期の言葉

仏陀が入滅の直前、弟子たちに残したと伝えられる言葉がある。

「では、修行僧たちよ。汝たちに告げる。

もろもろの現象は移ろいゆく。怠らず努めよ。」

すべては変化し、一定ではない。

人生、仕事、人間関係、感情、自分の心──

どれも「固定された何か」ではなく、常に生滅を繰り返し、流動している。

だからこそ、仏陀は “怠らず努めよ(精進せよ)” と告げる。

努力とは、結果を求めることではない。

変化し続ける世界の「只中(ただなか)」で、たえず目を開き、今日を生きる姿勢そのものだ。

松村先生は、この「怠らず努めよ」は、

マンダラチャートでいう「中心に立ち戻り続ける実践」と重ねて語ってくださった。

■ 2.「自らを灯明とせよ」──依存を離れ、主体へ戻る

仏陀が弟子に残したもう一つの遺言がある。

「汝たちは、自分自身を灯明(島)とし、自分自身をよりどころとせよ。

他のものに頼ってはいけない。

法を灯明(島)とし、法をよりどころとするがよい。

他のものに頼ってはいけない。」

この言葉は、私自身が何度も立ち返ってきた指針でもある。

外側に救いを求めたくなるとき、人は簡単に迷ってしまう。

情報、他人の評価、世間の基準──

それらは参考にはなるが、頼るべき中心には決してならない。

仏陀が示したのは、

「外から与えられる光」ではなく、

自らの内に燃える灯(ともしび)を頼りにせよ

という姿勢である。

マンダラで言えば、

“中心のマスに置くべきは、外の価値ではなく、己の本領である”

ということだ。

■ 3.マンダラ思考は、仏陀の遺言の現代的実践

仏陀の二つの遺言は、マンダラ思考と重なる。

◎「もろもろは移ろいゆく」

→ 固定観念を捨て、毎日アップデートし続ける。

◎「怠らず努めよ」

→ 中心に還り、行動し、改善する。

◎「自らを灯明とせよ」

→ 外部に依存せず、主体的に人生をデザインする。

◎「法を灯明とせよ」

→ 原理原則に立ち返る。

これは、松村先生が常に教え続けてきた

「智慧の実践」「中心の回復」「原理原則に沿った生き方」

そのものだ。

■ 4.変化の時代を生きる私たちへ

世界はこれまで以上に速く変わり、

正解も保証もない時代を私たちは生きている。

だからこそ、仏陀の遺言は、いま最も輝く。

怠らず努めよ(精進)

自らを灯明とせよ(主体性)

法を灯明とせよ(原理原則)

ここに、揺るぎない人生の軸がある。

■ 終わりに──マンダラと仏法は「生きる智慧」である

松村先生が教えてくださったように、

仏法は過去の哲学ではなく「いまここを生きる智慧」。

マンダラ思考は、その智慧を日々の行動に落とし込むための「地図」。

仏陀の遺言は、私たちの中心に灯をともす。

怠らず努めよ。

自らの灯を磨け。

そして、今日の一歩を大切に。

投稿者プロフィール

本領亮一
1967年千葉県松戸市生まれ。青山学院大学卒業後、大和証券系VC、ワタミ、CCCを経て31歳で株式会社ジップを創業。22年間ブックオフ加盟店4店舗を運営し、2020年事業譲渡後、株式会社本領として新たなスタートを切る。
現在はマンダラチャート認定コーチとして、仏陀の智慧を経営に活かす活動や、合氣道の指導、経営戦略・人生論の研究を続けている。noteやSNSで日々の学びと気づきを発信している。