みなさんこんにちは、マンダラチャート認定講師109号、株式会社サンクスUPのざぶろーです!
今日はメジャーリーガー大谷翔平選手が高校1年生の時につくったマンダラチャートをあらためて徹底解説いたします。
大谷翔平選手は高校時代に「ドラフト18球団から指名される」という、とてつもない目標を掲げました。これには「体づくり」「コントロール」「キレ」「スピード160km/h」「変化球」「運」「人間性」「メンタル」など、8つの要素が大事だと考えられています。
この解説では、マンダラOKRのビジネス目標の3つの要素に分解して考えます。すなわち、成果、能力、姿勢です。
成果、能力、姿勢
成果は、企業でいうと1年間や四半期の売り上げ、利益など。次に能力とは、技術、知識、ノウハウ、コミュニケーション能力など。そして3つ目が姿勢、すなわち態度、行動、心構えです。見事にこの3つが人材開発や自己成長にも応用可能で、非常に重要だと言えるでしょう。
成果目標【ドラフト1位8球団から指名される】
今回のテーマ【ドラフト1位8球団から指名される】は、一つの成果ですね。そのために【体づくり】【コントロール】【キレ】【スピード】【変化球】の5つの能力の向上(スキルUP、黄色の部分)を行う、ということです。そして【運】【人間性】【メンタル】というのが姿勢の部分です。姿勢とは、成果を得るために、そして能力を身につけるために必要な、正しい姿勢、勤務態度、行動特性(コンピテンシー)を指します。
次に具体的な8つの目標を解説します。
マンダラチャートはどこから書くのか?
能力目標【体づくり】【コントロール】【キレ】【スピード160km/h】【変化球】
成果「ドラフト1位8球団から指名される」を得るために、自己成長、プロ野球選手としての能力を身につけることを目標に掲げています。それには5つの能力目標を掲げています。
能力目標【体づくり】
まずは【体づくり】。「体のケア」「サプリメントを飲む」「柔軟性」「スタミナ」「可動域」といった体の基礎を作っていくところですね。「FSQ90kg」と「RSQ130kg」とは筋トレの重量目標だそうです。具体的な数字目標を入れていて達成がわかりやすいように工夫されています。驚きなのは数字目標「食事夜7杯朝3杯」。すでに高校の時から食事をトレーニングとして捉え、具体的な数字目標のもと、メジャーリーグ級の体づくりをしていたことがわかります。
能力目標【コントロール】
次に【コントロール】の強化。インステップの改善、体幹強化、軸をぶらさない、不安をなくす、メンタルコントロールする、体を開かない、下肢の強化、リリースポイントの安定と、非常に具体的に書いています。コントロールを身につけるには何に注意して、どんな考えを持ち、どんな行動をするのか?が要素分解されて書いています。とくに「不安をなくす」「メンタルコントロールする」などコントロールを身につけるには精神面での安定性が重要だと考えていることがわかります。
能力目標【キレ】
次に【キレ】。ここは「上からボールをたたく」「ボールを前でリリース」「角度をつける」「力まない」など、コツ、ポイント的なことが多く見受けられます。練習のたびにこれを繰り返しチェックしたことが想像できます。ほかには「リストの強化」「下半身主導」「可動域」「回転数アップ」とトレーニング目標メニューがあります。
能力目標【スピード 160km/h】
スピード160キロの速球を投げられるスキルを取得するためには、「軸でまわる」「下肢の強化」「体重増加」「肩周りの強化」「ピッチングを増やす」「ライナーキャッチボール」「可動域」「体幹強化」など、かなり細かく分解して考えられています。ちなみに、大谷選手は実際に高校生の時にすでに160km/hを投げています。当時の様子がYou Tubeにありましたので参考までにリンクしておきます。こちらです。
能力目標【変化球】
そして【変化球】。こちらは「カウントボールを増やす」「フォークの完成」「スライダーのキレ」「左打者への決め球」「奥行きをイメージ」「ストライクからボールに」「ストレートと同じフォームを投げる」「遅く落差のあるカーブ」と、ポイント、コツのような目標が多いのが特徴です。ピッチャーにとってピンとくる内容ではないでしょうか。コーチから言われた課題を達成するためには、これらのポイントを言語化して繰り返し脳内で再生することが重要です。それを具体的にイメージするためにマンダラチャートが大きな助けになります。
姿勢目標【運】【人間性】【メンタル】
次に能力を身につけるため、そして成果を達成するためにとても大切な「姿勢」=考え方、態度、コンピテンシーの解説です。
姿勢目標【運】
テレビなどのメディアなどで取り上げられ、世界から称賛される部分です。日本人として善き行いを繰り返すと運が身につく、という考えは共感しやすいのではないでしょうか?「あいさつ」「ゴミ拾い」「掃除」「審判さんへの態度」「本を読む」「応援される人間になる」「プラス思考」「道具を大切に」。重要なのはこれをマスに埋めるだけではなく、この行動を今でも繰り返し行い続けている、ということです。最近もスペイン紙マルカで報道されています。高校の時に恩師から教わったことを今でも続けている姿勢こそ、運が強い秘密だということをマンダラチャートは教えてくれています。
姿勢目標【人間性】
人間性の要素では、「感性」「愛される人間」「計画性」「感謝」「継続力」「信頼される人間」「礼儀」「思いやり」など、人間性を磨くための指標が書かれています。抽象的・概念的な言葉が多いですが、他のエリアの行動とうまくリンクしているように思います。とくに「継続力」は、いまもなおマンダラチャートに書かれていることを実践し続けていることからも有言実行ということがわかります。
姿勢目標【メンタル】
メンタル面では、「はっきりとした目的・目標を持つ」「一喜一憂しない」「頭は冷静に心は熱く」「雰囲気に流されない」「仲間を思いやる心」「勝利への執念」「波をつくらない」「ピンチに強い」が掲げられています。一つ一つを大谷語録としてピックアップしたいくらい説得力のある言葉です。ブッダの智慧との関連性も研究しても良いかもしれません。このようにマンダラチャートはその人の脳みその中をパカっと開けて見ることができる本当に素晴らしいツールだと感じます。
「被り」について
この8つの強化要素は、結構被っていることが見受けられます。体幹強化など、それぞれの能力を身につけるためには、基本となる部分が大事なのでしょうね。マンダラチャートは質問する際に被ってはいけないという認識もあるかもしれませんが、実は被っても大丈夫。具体的に考えていくというプロセスが大事だと教えています。
大谷翔平選手のマンダラチャートの結果、結局ドラフト何位だった?
高校時代の成績:
大谷翔平選手は花巻東高校でエースとして活躍。1年春は右翼手、秋からエースとして147km/h、2年春に151km/hを記録。3年夏にはアマチュア初の160km/hを記録。甲子園通算成績は防御率3.77、野手成績は打率.333、1本塁打。
ドラフトと日ハム入団について:
大谷は当初MLB挑戦を表明したが、北海道日本ハムファイターズから1巡目単独指名され交渉権を獲得。複数回の交渉後、日本ハム入団を12月9日に表明。契約金1億円+出来高払い5000万円、年俸1500万円で仮契約、背番号は「11」。日本ハムの二刀流育成プランなどが入団の決め手となった。
参考:大谷翔平 Wikipediaより
その後の活躍はご存知の通りですが、高校時代のマンダラチャートが夢を叶えるのに役立ったことは大谷選手も公言しているところです。
そしてそれは、最近のゴミ拾い報道を見てもわかるとおり、まさに今もなお継続している「正しい習慣」といえます。
マンダラチャートの書き方 作り方
- 中心核にテーマ(解決したい問題・目標・プロジェクトなど)を入れます。
(幹、テーマ、大目標) - 回りの8マスにテーマに対する解決策、行動計画・要因・要点などを書き込んでいきます。
(枝、エリア、中目標) - その8つの中目標を実現するために、さらに具体的な行動目標や達成目標や考え方を周囲に記述します。
(葉、アクション、小目標)
簡単にできるため、初めての方もすぐに使えます。詳しくはセミナーや書籍をぜひご覧ください。
また、無料のテンプレートも用意していますのでエクセルや印刷してご活用ください。
マンダラチャートの5つのポイント
1.みんなで楽しく書こう
2.プライベートの目標も共有しよう
3.マンダラチャートを書く順番
4.マスは被ってもOK
5.マスは全部埋めなくてOK
1.みんなで楽しく書こう
マンダラチャートは「人生とビジネスを豊かにする」ために考案された9マス発想法です。
ですので、楽しくみんなでワイワイつくることをオススメしています。作成はみんなで目標を共有しながらワイワイつくること、そして毎週・毎月、目標の進捗をチェックして応援し合うことで目標の達成確率が飛躍的に向上します。
これが曼陀羅の真髄です。
お薦めしないマンダラチャート作成方法
- マンダラチャートを宿題にして1人で書かせること
- 大谷翔平選手のマンダラチャートだけをお手本にすること
- 本人の意志を無視して仕事のノルマや数字目標を強制的に入れること
- マンダラチャートを再提出させること
上記がマンダラチャートが嫌いになる理由の主なものです。結局書けなくなったり、アイディアが出なくなったり、無理な計画を立てたり嘘の報告をするようになってしまいます。心理的安全性を高めたほうが生産性が上がることは多くの報告で証明されているとおりです。
2.プライベートの目標も共有しよう
大谷翔平選手のマンダラチャートにはプライベートの目標がありません。
これはマンダラチャートでは「一点集中型」といって、バランスを欠いた形と言われます。マンダラチャートは人生とビジネスのバランスのよく目標を立てていくことをとても大切にしています。
なので、「人生8大目標」や「マンダラOKR目標」などのフレームワークを活用して、プライベート目標(健康、家族、遊びなど)も一緒にみんなでワイワイ立てましょう。もしくは人生100年計画セミナーもあわせて受講してみましょう。
仕事だけではなく人生も豊かにすることがマンダラチャートの理念です。
余談:実は大谷翔平マンダラチャートには人生設計シートもあった
実は大谷翔平選手は別の表で人生計画をつくっていたことをご存知でしょうか?
この人生設計シートには、18歳でメジャー入団、23歳でWBC日本代表などの野球目標のほか、28歳で男の子誕生、31歳で女の子誕生、33歳で次男誕生、37歳長男野球をはじめる、40歳で引退(ノーヒットノーランで!)、58歳で岩手に帰ってくる、60歳でハワイ旅行などとても興味深い人生目標・プライベート目標も書かれています。
このように時間をとって人生計画をつくることがとても大切です。マンダラチャートを見るたびに楽しみでワクワクするような内容にすることが大きなポイントです。
3.マンダラチャートを書く順番は
正式なマンダラチャートの書き方は下、左、上、右、左下、左上、右上、右下の順番です。
ただ、大谷選手はおそらく左上「体づくり」から時計回りに書いたのではないかと思います。
どちらが正解、というのではないのですが、左上から時計回りに書く、のは無意識的に「順番通りに書かなきゃいけない」とプレッシャーに感じてしまう方が多いように思うので、おすすめは下から書くマンダラチャートのやり方です。
マンダラチャートワークショップでは必ず下から書きます。
ただ、重要なのは本人が書きやすい順番で書く、ということだと思います。
4.マンダラチャートのマスの項目は被ってもOK
大谷翔平選手のマンダラチャートにも「可動域」「体幹強化」など同じ文言がそのまま入っているものがあります。たまに「目標がかぶっても良いんですか?」という質問を受けますが、全然OKです。複数出るということはそれだけ重要な行動目標なのかもしれません。進捗をチェック
また能力目標「コントロール」に「メンタルをコントロールする」があり、姿勢目標にも「メンタル」があります。これはコントロールに必要なメンタルをコントロールするためには、「はっきりと目的・目標を持つ」「一喜一憂しない」などが必要になってくる、という関係性です。
5.マンダラチャートのマスが全部埋めれなくてもOK
マンダラチャートの目的は「人生とビジネスを豊かにすること」です。
81マスを全部埋めるゲームではありません。また81マスよりも少なくて良いですし、空いているところは絵を描いてみたり、お気に入りのキャラを貼ってみるのもよいかもしれません。あけている場所は通称「のびしろ」といって、他人の目標でいいな!と思ったものを入れてみたり、行動していくうちに追加された目標を入れるとよいでしょう。逆に81マスでは足りない場合はさらにもう一枚マンダラチャートをつくってみましょう。
マンダラチャートまとめ
ここでは大谷翔平選手のマンダラチャートをもとに、自分の成果、能力、姿勢を見える化して、人材開発に応用してみる方法について解説させていただきました。
このマンダラチャートだけではなく、野球選手以外の人の事例、自分に近い職種の人のマンダラチャートを見るととても参考になります。
そのためにまずはマンダラチャートワークショップを受けてみることをオススメします。
そして、みなさんも大谷翔平選手のようにマンダラチャートで夢を叶えてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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