日本一を目指す大学で、スポーツメンタルコーチとして活動し、今年で4年目を迎えます。この4年間、選手やスタッフとともに歩んできた道のりは、私にとっても非常に意義深いものです。今回は、4回生のスタッフが新たにコーディネーターとしての役割を提案された際のコーチングセッションの様子をご紹介します。

9マスのマンダラチャートとは?

マンダラチャートは、中心に一つの目標やテーマを据え、そこから派生する要素を整理するフレームワークです。9マスのマンダラチャートは、その目標を達成するための重要な要素を8つのマスに分け、それぞれに具体的な行動計画を落とし込むために使います。スポーツの世界では、選手やスタッフが自己管理やチーム運営に活用し、目標達成に向けた明確な指針を得ることができます。

コーチングの背景

ある日、スタッフの後輩から「〇〇さん、コーディネーター的な立ち位置がいいんじゃないですか?」と声をかけられた彼女は、ワクワクする気持ちを抱く一方で、不安も感じていました。コーディネーターになるということは、今の仕事を他のメンバーに割り振らなければならないことを意味します。そこで、彼女の不安を解消し、全体像を整理するために、マンダラチャートを使って新たな役割への道筋を明確化することにしました。

マンダラチャートを使った整理と明確化

セッションでは、まず彼女がスタッフチームとして最も大切にしたいことを中心に据え、現在の組織の役割や仕事を一覧にまとめました。そして、新体制になることで大事にすることや、必要なタスク、彼女自身が大事にしたいことなどを各項目に書き出し、全体像を視覚化しました。

セッションの流れ:


コーチ(あなた):「コーディネーターとしての役割に興味がある反面、不安も感じているんだね。でも、そのワクワクする気持ちはとても大切だと思うよ。まずは、マンダラチャートを使って、今抱えている仕事や新しい役割について整理してみようか。」

(ホワイトボードに9マスのマンダラチャートを描き、中央に「スタッフチームとして大切にしたいこと」を記入)

コーチ:「まず、中央には『スタッフチームとして最も大切にしたいこと』を書いてみよう。そして、その周りに現在の組織の役割や仕事、新体制になることで大事にすること、必要なタスク、そして君自身が大事にしたいことを書いていこう。」

(彼女がペンを取り、それぞれの項目を埋め始める)

スタッフ:「今の仕事をどうやって割り振るかが一番の悩みです。でも、こうやって書き出してみると、誰に何を任せるかが少しずつ見えてきました。」

コーチ:「それがポイントだね。全体像を見える化することで、次に何をすべきかがクリアになるよね。そして、新しい役割で大事にしたいことも、具体的な行動に落とし込むともっと分かりやすくなるよ。」

スタッフ:「このチャートを見ていると、今まで漠然としていた不安が整理されていく感じがします。新しい役割に自信を持って取り組めそうです。」

コーチ:「それは素晴らしい!最後に、24時間以内にできる小さな一歩を決めてみよう。それがきっと次のステップへの原動力になるはずだよ。」

スタッフ:「なるほど、すぐに動き出せることを考えてみます。ありがとうございます!」


コーチングの成果

セッションが終わる頃には、彼女は自分の中で必要なことを整理し、新たな役割に向けて自分なりの工夫で進めていく自信を持っていました。「これを元に、自分なりに工夫してできそうです!」とスッキリした表情で言った彼女の姿は、まさにマンダラチャートの効果を実感している瞬間でした。

まとめ

新たな役割に挑戦する際、不安を感じることは自然なことです。しかし、マンダラチャートを使って全体像を整理し、具体的な行動に落とし込むことで、不安を解消し、前向きな一歩を踏み出すことができます。この記事を通じて、同じように新しい挑戦に直面している方々が、自信を持って次のステップに進めることを願っています。