マンダラチャート認定コーチ162号 宇田佳子

私は現在、ある中学校のバレーボール部に外部指導者として関わらせていただいています。
顧問の先生と2年生との関係がうまく噛み合っておらず、空気がギクシャクしているように感じていました。そんな中、顧問の先生との会話の中で「一度、2年生の声を聞いてみましょうか」と話が進み、私が2年生全員と個別面談をすることになりました。

面談で活用したのが、マンダラチャートの“苦集滅道”という問題解決フレームです。これは仏教の智慧に基づいた構造であり、マンダラチャートの根底にある考え方でもあります。


面談シートの構成

中心核には、
**「どんな風に引退できていたら最高ですか?」**という問いを。
そして、「それが100%だとしたら、今は何パーセントくらいですか?」と現在地を確認。

その周囲に以下の項目を配置し、ひとつひとつ一緒に言葉にしていきました。

  1. 今、困っていること(苦)
  2. それはなぜだと思うか(集)
  3. 理想の状態は?(滅)
  4. 理想に近づくために何ができそう?(道)
     いつ行動にうつす?
  5. 今、大切にしていること
  6. 顧問の先生にしてほしいこと
  7. 顧問の先生にしてほしくないこと
  8. (自由記入欄)

想いが見えると、関係が変わる

面談を通して、生徒たちの本音や悩み、顧問の先生に対する想いが可視化されました。
そして何よりも大きかったのは、「自分で何ができるか」を一人ひとりが自覚し、行動に落とし込めたことです。

面談後、2年生の表情がパッと明るくなり、それまでギクシャクしていた先生との関係も明らかに変化しました。誰が見ても「あれ?雰囲気変わったね」と気づくくらいに。

さらに印象的だったのは、顧問の先生が「生徒たちはまだまだできていない」「人間的に未熟だ」と感じていた思い込みに気づかれたことです。
実際には、生徒たちは自分たちの考えをしっかり持っていて、真剣に部活動と向き合っている。
その“本当の想い”を先生が知ることで、生徒を見るまなざしが優しく、あたたかいものに変わっていったように感じました。

そして、生徒たちの想い――
それは「先生にもっと関わってほしかっただけ」「寂しかっただけ」という、まっすぐで素直な気持ちでした。
その想いが先生に届いたことで、双方が歩み寄る空気が自然と生まれていきました。


私の使命を、あらためて確信

この経験を通して、私自身も大きな気づきを得ました。
私は、「リーダーを支える存在でありたい」「リーダーの想いを“通訳”しながら、組織全体の流れを良くする」ことに喜びを感じます。

今回の実践は、まさにその使命を果たすプロセスでした。
マンダラチャートの力、そして仏教の智慧の奥深さを改めて実感しています。


これからも、現場の課題にマンダラチャートを活かしながら、リーダーとメンバーの架け橋となれる存在であり続けたいと思います。

後日談✨

あの面談から、生徒たちと顧問の先生の関係はみるみるうちに好転していきました。
そして迎えた3月末――。顧問の先生の転勤が決まり、最終日には生徒も先生も涙のお別れに。
すれ違っていた時間も、伝えきれなかった想いも、全てが溶け合ったような、あたたかな時間でした。
マンダラチャートがつないだ心と心。これからも、そんな場面に立ち会っていきたいと感じた出来事でした。おわり✨

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keiko