松村寧雄先生は、生前よくこうおっしゃいました。
「遭難しゃうんです」
「やられちゃうんです」
その意味は―「マンダラの中心核に戻ることを忘れると、人は遭難して、やられてしまう」ということです。
どんなに情報があふれ、状況が複雑でも、中心核を忘れなければ大丈夫。
全体と部分、そして関係性を見失わなければ、必ず進むべき道は見えてきます。
マンダラ第2原則 ― 統合力の原則
マンダラ8原則の第二原則は 「統合力の原則」 です。
これは「全体と部分と関係性を、常に統合して認識・実践する」ことを意味します。
具体的には――
- 鳥の目(マクロ)
人生やビジネスを「全体像」として俯瞰する。 - 虫の目(ミクロ)
一つひとつの部分を丁寧に観察する。 - 魚の目(トレンド)
全体と部分の関係性や流れを読み取る。
この三つの視点を持ち続けるとき、統合力は発揮され、遭難を防ぐことができます。
逆に統合力を失うと、全体を見ずに細部に迷い込み「遭難」し、全体ばかり追って部分を軽視すれば「やられて」しまうのです。
三句の法門とマンダラの核
仏教には「三句の法門」という深い教えがあります。
- 菩提心を因とし:悟りを求める心を出発点とする。
- 大悲を根とし:大きな慈悲を基本とする。
- 方便を究竟となす:智慧を応用し、実践の工夫を究極の目的とする。
この三句の法門は、天台教学(智顗)の『摩訶止観』などで説かれ、日本天台でも重んじられてきた言葉です。
マンダラで言えば、中心核に「如実知自心(自分の心をありのままに知る)」を置くこと。
そこから大悲(慈悲の実践)を根にして、周囲の分野に広げる。
さらに、日々の工夫や実践(方便)を積み重ねることで、究極の完成へと向かうのです。
まとめ
松村先生の「遭難しゃうんです」「やられちゃうんです」という言葉は、単なる警句ではなく、
中心核を忘れるな、統合力を失うな、という智慧のメッセージです。
マンダラ第2原則「統合力の原則」と「三句の法門」。
この二つを合わせて実践することで、人生もビジネスも遭難せず、進むべき道を切り拓くことができます。
中心核を忘れずに歩む。
それが、マンダラと共に生きる者の基本姿勢なのです。
投稿者プロフィール

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1967年千葉県松戸市生まれ。青山学院大学卒業後、大和証券系VC、ワタミ、CCCを経て31歳で株式会社ジップを創業。22年間ブックオフ加盟店4店舗を運営し、2020年事業譲渡後、株式会社本領として新たなスタートを切る。
現在はマンダラチャート認定コーチとして、仏陀の智慧を経営に活かす活動や、合氣道の指導、経営戦略・人生論の研究を続けている。noteやSNSで日々の学びと気づきを発信している。
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