〜マンダラチャートが引き出す中学生の“未来へのまなざし”〜
こんにちは。
今日は、現役の中学校教師・マンダラチャート認定コーチ167号 今津香居先生によるマンダラチャートの実践事例をご紹介します。
「テスト計画」の学活のあとに生まれたたった15分のスキマ時間。
その短い時間を使って、香居先生はクラス全体で初めてのマンダラチャート記入を行いました。
わずかな時間が、子どもたちの内面と未来を豊かに育てる時間に変わったのです!
そのリアルな記録を、ぜひ皆さんにも読んでいただきたいと思います。
◆「小学校でやったよ!」――マンダラ初体験のはずが…
香居先生のクラスでマンダラチャートを取り入れたのは、テスト計画を終えた後の15分間。
中学校では学習や行事に追われ、1時間フルで時間を取るのは難しい。だからこそ、このスキマ時間をうまく活用されたそうです。
チャートを配ったとき、生徒たちからは、
「あ、これ小学校の道徳でやったよ!」
という頼もしい声があがりました。
それを受けた香居先生は、「そうなんだね」と穏やかに応じながら、2分ずつ8項目をテンポよく進行していきました。
「書けなかったらあとで戻ってきていいからね」と声かけしながら、全体に無理なく進めていったというのも印象的です。
◆今回のマンダラテーマ:「1年後の自分を思い描く」
マンダラチャートの中心テーマは、
『1年後の自分』
でした。
それに基づき、周囲の8マスに設定された問いは以下のとおりです。
A. 1年後の自分はどうなっていたら良いですか?
B. 学習面の目標は?
C. 生活面で心がけたいことは?
D. 部活動・習い事で達成したいことは?
E. 家庭生活の中での自分の役割は?(家族の一員として)
F. 校外学習でのあなたの役割は?
G. 学級に対してどんな貢献をしますか?
H. 1年後の自分にかけたい言葉は?
それぞれの問いは、生徒が自分の現在地と未来を見つめ、社会の中の自分の役割にも目を向けられるよう工夫されています。
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◆EとHの回答に、心が震えた
香居先生が特に感動されたのは、以下の2つのマスです。
✅ E:家庭生活の中での自分の役割
ここには、家族を思うあたたかな気持ちが並びました。
- 「お母さんに迷惑をかけないようにしたい」
- 「お風呂掃除や食器洗いを頑張る」
- 「母の相談にのってあげたい」
ただのお手伝いリストではなく、親への感謝や気遣い、優しさがあふれていたのです。
家庭での自分の存在をどう捉えているか。普段はなかなか聞けない本音に、先生は胸が熱くなったそうです。
✅H:1年後の自分にかけたい言葉
このマスには、自己肯定感を高める言葉がたくさん書かれていました。
- 「頑張ったね」
- 「大丈夫だよ」
- 「焦らず少しずつできることを増やしていこう」
誰かに励まされるのではなく、“自分が自分を応援する”という力。
それこそが、マンダラチャートの真価の一つではないでしょうか。
◆質問の力が、生徒の思考を導く
この実践を経て、香居先生はこんな振り返りをされています。
「マス一つひとつの“問い”が、本当に大切なんだと痛感しました。
生徒が未来の人生を豊かに過ごすために、考え方や捉え方を育てたい。
そのためにも、“質問の言葉”をもっと深めていきたいと思いました。」
香居先生は今、マンダラチャート1年分の「質問集」を作成中。
この1年間の生徒たちの記入結果をもとに、より深く、より広い問いへと磨き上げる計画です。
そして、この活動を学年末に「1年間の成長の記録」として生徒に返すそうです。
その日が来るのが今からとても楽しみです。
◆マンダラの“未来を描く力”は、奇跡を起こす
実は香居先生、昨年度もマンダラチャートを使った実績があります。
当時、生徒指導部の「学びの支援コーディネーター」として、別室登校をしていた20人近い生徒たちに対して、マンダラチャートを導入。
そこで出た問いは、
「来年度の自分は、どうなっていたら良い?」
というシンプルなもの。
多くの生徒が、「学級に戻って頑張る」と答えました。
なんと、そのほとんどの生徒が実際に学級復帰を果たしたのです。
現在、別室に通っている生徒は3〜4人ほど。
もちろん、担任の先生方の努力があってこそですが、生徒が自ら自分に問いかけ、未来を描いたことが、その行動に繋がったのは間違いないでしょう。
◆スキマ時間が“人生の地図”をつくる
香居先生の実践は、「時間がない」と思われがちな学校教育の中で、たった15分でも未来を変えることができるという希望を私たちに示してくれました。
- 生徒たちが、自分の“価値”に気づく
- 家族を想い、仲間と未来を共有する
- 自分自身にやさしい言葉をかけられるようになる
こうした小さな心の動きの積み重ねが、1年後、きっと大きな力となって花開くでしょう。
香居先生の言葉を借りれば、「生徒が輝き、希望や夢をもって生き生きとしていて、自分を大切にしている未来。」
そのための第一歩が、この“スキマ時間のマンダラチャート”だったのです。
そして、先日1学期の振り返りを行ったら生徒の書く量が増えていました‼️
これからの成長は本当に楽しみです。
◆あなたの学校でも、始めてみませんか?
この実践は、特別な準備も、特別な教材も不要でした。
あるのは「問い」と「チャート」と、生徒と向き合う「先生のまなざし」だけ。
マンダラチャートは、どんな教科や時間にも応用できます。
ぜひ、あなたの学校でもこの可能性を感じてみてください。
本記事の内容に関して、ご感想やご質問がありましたら、メッセージでお気軽にお寄せください🍀
教育の現場から、一緒に未来を描いていきましょう。
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